第6回 ~相続財産清算人事件①~


鍵不存在物件の初動で、判断材料が揃いにくい理由

相続財産清算人事件では、物件内部の現況把握が初動の基礎となります。
もっとも、所有者死亡・相続人不在・鍵不存在という状況が重なると、情報収集の前提が途端に不安定になることがあります。
実務経験のある先生方におかれては、決して珍しい事例ではないと思います。

行政から外形上の危険性について相談が入り、近隣から通報が寄せられ、裁判所からも状況報告が求められる。
しかし、物件内部については情報が「ゼロ」のまま対応せざるを得ない——。
こうした場面が一定数存在します。

情報の“欠落”が初動を複雑化させる

鍵がないという事実そのものよりも、問題になるのはそこから生じる“タイムラグ”です。

・現況把握が遅れる
・判断の前提が揃わない
・各所からの要請だけが先行する

現地確認を伴う事件の場合、判断の主体は先生であっても、その判断材料を揃えるまでに発生する作業は、法律実務とは異なる種類の負荷を生みます。

現場レベルで抜けやすい外形情報

内部確認ができない段階では、外形情報の精度が後工程を左右することがあります。

  • 郵便物の滞留状況
  • 戸締まりや破損箇所の有無
  • 雨漏りや腐朽の徴候
  • 共用部・ベランダの物品放置状況
  • 害虫・異臭・漏水の兆候
  • 擁壁・外構の劣化度
  • 管理会社・近隣住民から得られる断片的情報
  • 換価可能性のある動産の存在

いずれも法律判断そのものではありませんが、初動の見通しを立てるうえで重要な生情報となります。

鍵不存在のまま進める場合の一般的な負荷

  • 開錠業者の手配
  • 立会い者の調整
  • 移動・待機時間
  • 行政・近隣からの通報内容の整理
  • 裁判所への暫定的な報告
    これらが重なると、初期工程に想定以上の時間を取られがちです。

レガサポが外部リソースとして担っている部分

レガサポでは、初動における以下のような“現場起点の工程”を外部化する形で支援しています。

  • 開錠業者の確保・立会い
  • 初動時の現況確認(全方位写真含む)
  • 行政・管理会社との情報整理
  • 裁判所報告用の簡易レポート作成(速報レベル)

判断の核心部分は当然先生が担われますが、判断材料を揃えるまでの工程を切り出すことで、事件全体の流れを止めないことを重視しています。

おわりに

相続財産清算人事件の初動では、鍵不存在そのものより、情報の欠落と期限の並行進行が負荷の中心になります。
初期の現況確認はその後の方針を決定づける工程であるため、外部の現場リソースを活用し、判断材料を早期に整えておくことも一つの選択肢です。

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