交通利便性が高いとは言えないエリアに所在する、
工場系不動産が関係した相続財産清算人事件の話です。
本件は、事件発生当初から不動産の処分に課題を抱えていました。
清算人から地元の不動産業者へ売却査定を依頼したものの、
「工場系のため取り扱いが難しい」との理由で断られ、
その後、東京の不動産業者にも声をかけたものの、
次第に連絡が途絶えてしまいました。
そうして、具体的な進展がないまま、
事件発生からおよそ3年が経過しようとしていたタイミングでした。
なぜ、ここまで売却に苦戦しているのか。
状況を一つずつ整理していくと、いくつか腑に落ちる点が見えてきました。
- 一般的な不動産ポータルサイトに物件情報が公開されていなかったこと
- 現地での物件確認が行われておらず、写真すらない状態で売却活動が進められていたこと
- 査定の根拠となる資料がなく、明確な説明ができないまま営業されていたこと
これだけを見ると、
「たまたま対応の悪い業者に当たっただけではないか」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、問題の本質は別のところにありました。
工場系不動産は、もともと市場での流通性が高いとは言えません。
加えて、当該物件は遠方地にあり、立地条件も決して良いとは言えない。
結果として、不動産業者側が時間と労力をかけてまで
積極的に取り組む動機を持ちにくい物件だった、
という構造的な問題がありました。
通常の不動産営業は、自社の売上やノルマを前提に動いています。
時間的コストが大きく、成約までの見通しが立ちにくい案件に対して、
どうしても優先順位が下がってしまう。
これは、ある意味で自然な判断とも言えます。
こうした背景を踏まえたうえで、
改めて物件の整理、現地確認、資料の整備を行い、
一つひとつ手順を積み重ねていった結果、
最終的には買主が見つかり、売却許可まで進めることができました。
この事例は、
「誰かが悪かった」という話ではありません。
ただ、
誰が、どの立場で、この不動産に向き合うのか
そこが曖昧なままでは、事件が止まってしまうことがある。
そのことを示している事例だと考えています。
本稿を通じて、
レガサポがどのようなスタンスで事件に向き合っているのか、
少しでも感じ取っていただければ幸いです。


